歌にまつわる話
このページは親サイト http://ozsons.jp/ 第3楽章からの抜粋です。

なぜ I'm dreaming of 〜 か? White Christmas


Holiday Inn, 1929


Bing Crosby with Danny Kaye, 
Rosemary Clooney and Vera-Ellen

ホワイト・クリマスはビング・クロスビー が一世を風靡したクリスマス・ソングです。アービン・バーリンが1941年に映画"Holiday Inn"のために作りました。翌42年、ビング・クロスビーがJohn Scott Trotter Orchestraをバックにレコードが出ました。

戦後、1954年に映画"White Christmas"が封切りされました。写真はその映画の終わりの1シーンです。確か東劇で見た憶えがあります。その時、レコードを買ってきて憶えました。ジングル・ベルしか知らなかった頃です。裏面は何だったんでしょうか、憶えていません。そうだ、ジングル・ベルだったのかなぁ。13歳のときにクロスビーの節回しや口笛を真似して唄っていたのを思い出します。

生意気な中学生です。回りで聴いていた大人は”Jingle Bells"くらいしか知らない時代でした。昭和29年ですから。

LAに住む一人の若者が兵士となってヨーロッパの戦線に赴き、負傷してデンマークだったかの病院に入院していたとき、生まれて初めて"White Christmas"を経験しました。クロスビーは一度も唄ってはいませんが、次のようなヴァースがあるのです。

The sun is shining
The grass is green
The orange and palm trees sway.
I've never seen such a day
In Beverly Hills LA.
But it's December the 24th
And I am longing to be up North. 

異国での初めての雪のクリスマスを想い"I'm dreaming of a White Christmas"となった次第です。何とも胸の詰まる歌なのです。雪村いづみはこれを聞き、唄うと涙するそうです。この話は沢田靖司から聞きました。 沢田夫人は雪村いづみと中学の同級生です。爵士樂堂も溜池の今はなきレストランで一緒に食事などしたことがあります。

何年か前、その沢田靖司が「このヴァースは何の歌か当てられるか?」といって、ヴァースだけ唄いました。その時まで、爵士樂堂はホワイト・クリスマスにヴァースがあるのを知りませんでした。沢田は私が知らないだろう思うことを選んでは、問答をかけてくるわけです。私が知っているとがっかりさせることもあります。

私が知らないと思って唄いだしたところ、一緒に唄いだすと「チェッ、知ってんのか」


Vera-Ellenという名前をご存知ない方がいらっしゃることと思います。彼女は当時のトップダンサーとしていろいろな映画に出ておりました。もちろん歌も上手です。それより、誰が見てもチャーミングで多くのファンがいました。

ローズマリー・クルーニーも実に綺麗でした。いい時代でした。

さて、ビング・クロスビーが歌ったホワイトクリスマスはシングルで50,000,000枚、LPを含めると100,000,000枚の記録を作りました。これは世界記録として現在もギネスブックに掲載されています。


もの本や巷のサイトなどでは、映画「Holiday Inn」のために書かれたとありますが、私は「??」で、直感的にずーっと嘘だろうと思っていました。この映画のために書いたのなら、こんなVerseを書くはずがありません。映画のHoliday Innという休日だけのホテルはコネチカット州にあるというStoryです。お分りでしょ?コネチカットの映画の主題歌に、こんなVerseの歌をBerlinがわざわざ書きますか?

それ以前に出来ていた歌だと思っていました。

私の直感は正しかったのです。Irving Berlinはこの映画では、Bing CrosbyにVerseを歌わせなかったのです。その後も歌っていません。最近になって、そのIrving Berlinが1935年にFred Astaireに歌って聴かせている記事を見つけました。

みなさん、この歌は1941年ではなく、1933年に出来ていたのです。(2017/4/11追記)