ブレスは斯くあるべし

唄うことにとってブレスは命の泉です。ブレスをしないと死んでしまいます。素人は大体がめちゃめちゃなブレスをしてしまいます。ひとつのフレーズは一息で唄うことを考えることが原則です。フレーズの途中で息が続かなくなっても、絶対に息継ぎをしてはいけません。歌がずたずたになってしまいます。

通常、スローなら2小節ごとに、4ビートなら4小節ごとにブレスをとることを原則としておけばうまくいきます。


Joe Williams (1918-1999)

正しいブレスをするためにもっとも大切なのはつま先に体重をかけた姿勢です。かかとに体重がかかってはいけません。踵に体重がかかると、下腹で声を支えることが出来なくなりますし,背中に息をためることが出来なくなります。

みなさんはどこでブレスをしていますか?歌は腹式呼吸だから、腹でするものと思いますか?

かつてジョー・ウィリアムスが来日したとき「足元の大地から空気を吸い上げるのだ」ということを沢田靖司に教えたということです。最近、沢田靖司がその話をしてくれました。大地からエネルギーをたっぷりと吸い上げるというのです。そうすることによって空気は背中に溜まってくるのです。

こうなるとブレスは足の裏からということになります。

難しい話ですが、謂わんとするところはわかるような気がします。20回に1回でも、こんなブレスが出来ればよいと思って練習してみませんか。

かといってブレスばかりに気をとられていては、歌が歌にならなくなります。ブレスに気をとられなくならないといけないことも確かです。ですから、練習することです。

この背筋の伸びた高い姿勢で大地からブレスをするのです。Here's To Lifeを熱唱するジョーです。