ドリー・ベーカーが４年ぶりに帰ってきました。

沢田靖司がちょうど「日本ジャズボーカル大賞」を受賞した記念と自らの音楽生活５０周年を祝ってコンサートを計画していました。

そのコンサートにドリー･ベーカーを招待したのです。

もう、日本に帰るのは無理だと誰もが思っていたのですが元気に帰ってきました。

ドリーのファンには、もう生では聴けないと思っていた歌を聴く事ができるのです。皆、大喜びです。ドリーは聴く者に感動を与えてくれました。

東京FMホールは予定した人数をオーバーし客席の並べ方を変えたくらいです。

前回のコンサートは1999年暮にイイノホールで行われましたが、風邪で熱もあり、楽屋では赤い顔してひっくり返っていたのです。大変な還暦コンサートでした。

今年は元気一杯に見えました。

しかし、沢田師匠と私とが話を始めると、いつも年寄りくさい病気の話になります。いやですねえ。

ドリーの齢までは沢チン、まだまだ先が長いです。

ドリーは４日後に84歳の誕生日を迎えます。

私たちはドリーが60代の頃から聴いているのです。長い付き合いです。

沢チンとドリーのデュエットは絶妙という言葉がぴったりです。

意外な歌を２曲組み合わせて唄うものもお得意ですが、”Them There Eyes”でみせるスキャット合戦はジャズボーカルの醍醐味と言っていいでしょう。

ライブでは数知れない程、大コンサートでも唄いましたが、失敗もあるのです。もう、語り草です。

"The Very Thought of You"を沢チンのピアノ伴奏で唄いました。

ささやくように、噛みしめるように唄ってくれました。

ドリーのために用意した車椅子に乗せられて・・・

可笑しくて仕方が無いようです。

こっちだって可笑しいよ。

左後ろで立っているのは、今夜のプロデューサー、有福　隆です。私はドリーも沢チンも有ちゃんの店で知り合ったのです。